何時に寝たか覚えてないが、寝てから風が強くなり始めた気がする。
宴会の時から吹き始めていたが、どんどん強くなっている。
前回はシャン3を高く張ってしまったせいで、雪が吹き込んだので、
今回は低く張って、スソに雪を被せておいたから大丈夫だろう、
そうだ、スノーブロックも積んであるんだった、ウトウト。
バンッ、バンッ!叩き付けるような強風で目が覚める、坊がつるでは良くある事だ、
こんな風の夜は熟睡できない、テント内の気温はー8℃、ダウンを着らないでも大丈夫だ、
マットもリッジレストで十分冷気を遮ってくれている。
どうも雪が吹き込んでるようだ、シャン3の裾に乗せた雪は飛ばされている。
外で寝てると思えば、風を遮ってるだけましだろう。ウトウト。
「たすけてー」
んー?呼ばれた気がする、はっ!呼ばれてる!
風の音の向こうから声が聞こえた、
4時くらい、風はますます強くなっていた。
シュラフから出て、靴を履こうとしたが凍ってて足が入らない、
ダウンブーツのまま外に出てみると、akさんのテントのフライがバタついる、
どうやらポールが曲がって、ペグが抜けたらしい、テントの中ではポールを押さえて
身動きが取れなくなっているakさんがいた。
ペグを探すが、飛んでいってるみたいで見つからない、
予備のペグをもらって打ち付ける。
少し外に出ただけなのに、体温が一気に持っていかれた、
帽子、手袋、ダウンジャケットを着た。 風速は15~25mだろう。
他の方も起きてきた、ADさんのテントもポールが曲がったようだ。
エアライズとステラリッジは大丈夫、
シャン3は風でひしゃげているが大丈夫、きっと出入り口を開けると風に持って行かれそうだ。
akさんがこのままじゃ不安と言うので、張り綱を追加して補強して寝た。
非常用の細引きが役に立った。
この時の判断が間違えだったと気づくのはもう少し経ってからの事、
張り綱を張らずに、避難するか、スノーブロックを積んでいれば良かった。
外が明るくなってきたが、風は相変わらず強く吹いていて、
シャン3の中と靴の中に雪が積もっていた。
暖かい紅茶を魔法瓶に入れて、外に出てみるとそこには。
フライの破れたハバハバHP、中にはakさん。
暖かい紅茶をおすそ分けした。
少し離れたナマヒゲさんのテントもポールが曲がっていた。
周りのテントも数張り倒壊していた。
ハバハバHPを風で飛ばされないように潰して、避難小屋へ向かった。